今回は、病院でもらってきたり、薬局で買ってきたお薬を「何」で飲むか?というお話をします。
普段何気なくお薬を飲んでいると思います。
しかし、お薬を何と一緒に飲むかで効きすぎてしまったり、効かなくなったりすることがあります。
それをお薬と飲み物による相互作用といいます。(薬と薬ということもありますが、今回は割愛します)
さて、お薬を飲んでいるみなさんは普段、何で飲んでいますか?
多くの方からは、お水やお茶というお答えをいただきます。
一見、問題なさそうに思えます。
さらに、お水と言っても「水道水」「ミネラルウォーター」がありますし、ミネラルウォーターのなかにも「硬水」と「軟水」があります。
いわゆる水道水で服用する場合、問題になることはありませんが、ミネラルウォーターは、中に含まれるミネラル成分がお薬の吸収を妨げることがあります。
ミネラルウォーターの中でも、硬水というのはミネラル成分を多く含むものを指し、特にヨーロッパ産のミネラルウォーターは硬水であることが多いです。ミネラル成分の多い水はお薬の効果に影響することがあります。
軟水というのは日本の水道水とほぼ変わりなく、ミネラル成分が少ないため問題ないと言えます。
しかし、すべてのお薬が、ミネラルウォーターで飲んではいけないということではありません。
骨粗鬆症のお薬(ビスホスホネート系)、抗生物質(ニューキノロン系、テトラサイクリン系)などが注意が必要です。
ご自身の服用されているお薬が該当するかどうかについては、かかりつけ薬局の薬剤師さんに聞いていただくのがよいでしょう。
健康のためにミネラルウォーターがどうしても毎日飲みたいが、ビスホスホネート系の骨粗鬆症のお薬を飲んでいるというかたは、お薬との間を2時間以上あけていただければ飲むことができます。
次はお茶についてです。
お茶については、ほとんどのお薬については問題ないと言われています。
注意していただきたいのは、貧血で服用されることがある鉄剤です。
鉄とお茶の中に含まれるタンニンはくっついて、からだのなかに吸収されない形になります。
そのため、せっかく服用しても、効き目が少なくなってしまうことがあるのです。
タンニンは、緑茶やウーロン茶、コーヒーやワインなどに含まれています。
最近は研究も進んできているので、あまりお茶で鉄剤を飲んでも影響はないようになってきたと言われてきていますが、せっかく飲んだお薬の効果をしっかりと出したいという方はお水で服用することをおすすめします。
また、鉄剤を服用した後、1時間程度はタンニンを多く含む飲み物は取らない様にするとより効果的です。
本日のまとめ
お薬をのむときは水道水が一番
次回は、コーヒーやジュースで薬を服用した時の影響についてお話したいと思います。