前回にひきつづき、今回もお薬を「何」でのむかというお話をしたいと思います。

今回はフルーツジュースでお薬を飲んだ時の影響についてです。

お薬を薬局でもらうときに、「グレープフルーツジュースは飲みますか?」と聞かれたことはあるでしょうか?

突然言われて「???」と思った方も多いと思います。

 

グレープフルーツジュースにはフラノクマリン類とよばれる成分が入っており、この成分は、ある種類のお薬の排出を邪魔します。

ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬(高血圧のおくすり)、タクロリムス(免疫抑制剤)、カルバマゼピン(てんかん等に使われるお薬)、シクロスポリン(免疫抑制剤)、アトルバスタチン(高脂血症薬)、シンバスタチン(高脂血症薬)など

お薬は、服用して、吸収されて、血液に乗って全身に行き渡り、形をかえて体の外に排出されていきます。

服用してから、排出されるまでの時間はおおよそ個人差はあるものの、ある程度決まっていてそれに従ってドクターは処方します。

しかし、排出される時間が想定されるより長くなるとどうなるでしょうか?

本当であれば、排出されているべきお薬がまだ体の中にあり、そこにまたお薬を飲むと・・・

体のなかにある薬の量(薬物血中濃度)が増えてしまいます。

つまり、副作用が出る可能性が高くなるということなのです!

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類はお薬の排出を邪魔するということがわかっており、さらにその効果は3〜4日続くと言われています。

先週お話した鉄と緑茶の関係では数時間あいていれば大丈夫ですよ、というお話をしましたがグレープフルーツにいたっては、お薬を飲むときだけ避ければいいという話ではなく上記にあげたようなお薬を服用している方は避けるべきなのです。

では、グレープフルーツ以外の柑橘類はどうなのでしょうか?とよくお問い合わせがあります。

柑橘類にもいろいろと種類があるので、一つ一つについて説明するのは難しいため、おおまかにグレープフルーツ大の柑橘類は避けていただく様にお願いしています。

文旦、スウィーティー、はっさく、バンペイユ、夏みかん、甘夏などです。

ママレードジャムなども何が使われているか確認してください。

蒲郡の名物である「蒲郡みかん」などの温州みかんは大丈夫なので安心して食べてくださいね。

 

また、グレープフルーツジュースだけでなく、りんごジュースやオレンジジュースと市販薬でもあるアレグラ(フェキソフェナジン)を一緒にのむと効果が下がると言われています。

 

今日のまとめ

・薬はジュースでのまない

今回はジュースの話だけでいっぱいになってしまったので、その他の飲み合わせについては次回以降にお話したいと思います。