おくすりを何で飲むかシリーズ第5回目です。

すっかり長いシリーズになってしまいましたが、とりあえず今回で終わりです。

今回はお酒とおくすりの関係についてお話したいと思います。

お酒とおくすり・・・見るからに相性が悪いですね。

でも一緒に飲む方、いるんです!!

一緒に飲むと良くないことを知らずに飲んでいる方、わかっているのに一緒に飲んでいる方もいらっしゃいます。

毎日、晩酌はやめられないから・・・だそうですが、だめです。絶対だめ!

 

「アルコールは肝臓に負担をかける」

お酒を飲む方なら、なんとなくそういう知識は持っていて、その対策としてウコンドリンクを飲む方もいらっしゃいますね。

実際、アルコールは代謝(吸収したものを排出できる形にすること)されるときにそのほとんどが肝臓を使います。

おくすりもすべてではありませんが、代謝に肝臓を使います。

アルコールも、おくすりも同じ肝臓を使うわけですね。

おくすりは、服用して、吸収されて、血液に乗って全身に行き渡り、形をかえて体の外に排出されていくというお話はこのシリーズの中でもしましたが、吸収されたあとに「代謝」という経過を経る必要があります。

代謝というのは、先にも言いましたが吸収したものを排出できる形にすることです。

おくすりは吸収したらいつまでも体のなかにいるわけではなく、いつかは排出されていくものなのです。

「健康な成人であればこの量をのめばこれくらい代謝されて、これくらいで効果がでる」と、計算された量をおくすりとして服用するわけです。

そこで、アルコールがあるとどうなるでしょうか。

肝臓の中にはいろいろなものを代謝するための酵素がいくつも存在しているのですが、ある種類のおくすりを代謝するときに使う酵素と、アルコールが代謝されるとき使う酵素が同じなのです。

おくすりと、アルコールを一緒にのむことで代謝酵素を奪い合い、おくすりもアルコールも本来代謝されるはずだったものが、体内にとどまってしまうことになります。

代謝されずに、体内にとどまるということは、おくすりが効きすぎるという状態です。

これも以前お話しましたが、おくすりが効きすぎるというのは非常に怖いことです。

副作用が現れる可能性が高まります。

抗血栓薬、抗精神病薬、抗不安薬、市販されている風邪薬や鎮痛剤の中にもアルコールと同じ代謝酵素を使うものがあります。

また、代謝酵素の点以外でも、アルコールによる血管拡張によりおくすりの効果が出すぎたり、アルコールによる中枢抑制機能により、おくすりの効果が出すぎることがあります。

逆に、毎日毎日お酒を飲んでいると、ある種のおくすりの効き目が低くなるということもあります。

 

ちょっと難しいことを書いてしまいましたが、とにかくアルコールとおくすりの相性はよくありません。

お酒は百薬の長などという言葉もありますが、おくすりを服用中の方にはあてはまりません。

たまに、時間をあければいいでしょ?と言われることもあります。

いちおう、3時間あければいいですよと伝えていますが、本当はこれもやめていただきたいところ。

仕事の付き合いでどうしても飲まなくてはいけないといわれることもありますが、

ご自身のからだをもっと大事にしていただきたいとおもう私です。

 

さて、これにて「おくすりを何で飲む??」シリーズはいったん終わりたいと思います。

実はいま薬局の床を改装中です。次回は新しくなった薬局の様子をお見せできればと思っています。