「おくすりを何で飲むか??」シリーズも4回目となりました。

今回は、牛乳とおくすりの飲み合わせについてお話したいと思います。

牛乳にはカルシウムが多く含まれています。

カルシウムは、様々なおくすりとおなかの中でくっついてしまい、お互いを吸収しにくくしてしまうのです。

牛乳は健康のため、骨粗しょう症の予防のため、と毎日飲まれているかたも多いです。

骨粗しょう症の予防のために、とおくすりを飲んでいない方が牛乳をのむのはとてもいいことだと思います。

しかし、すでに骨粗しょう症と診断を受け、おくすりを服用しているかたは牛乳の飲み方について注意しないといけません。

さきほども申し上げたように、カルシウムは様々なおくすりとくっついてしまう性質があります。

骨粗しょう症のおくすりでよく使われている「ビスホスホネート製剤」はカルシウムとくっつきやすく、その結果効果が出にくくなるということがわかっています。

骨のために、と飲んだ牛乳と骨粗しょう症の治療薬がお互いの吸収を悪くしてしまうのです。

そのため、ビスホスホネート製剤を服用中の方には、起きてすぐ、お腹の空いた状態でおくすりをのんでいただき、その後も30分は飲食避けていただく様お伝えしています。(お水を飲むのは大丈夫です)

そのため、おくすりと牛乳をのむ時間をしっかりあけて服用していただければどちらも飲むことは可能です。

ちなみに、ビスホスホネート製剤については「おくすりを何でのむか??その1」(https://suzuki-pharmacy.com/info/20180114/)でもご紹介したミネラルウォーターでの服用もよくありません。同様に、抗生物質(ニューキノロン系やテトラサイクリン系)も牛乳と一緒に服用することは避けてください。

逆に、牛乳と飲むと効果が出すぎてしまうお薬も存在します。

睡眠薬(クアゼパム)、乾癬のお薬(チガソン)などです。

クアゼパムは飲食そのものを避けていただくようお伝えしていますが、不眠に悩まれている方で「ねつきをよくするように、寝る前にあたためた牛乳をのんでいる」というかたがいらっしゃるのです。

チガソンは牛乳や、高脂肪食(あぶらっぽい食事)といっしょにのむことでチガソンの吸収が高まります。

おくすりの効き目がよくなるならいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、適切な量が吸収されることで目的とする治療効果がでるよう設計されています。

効きすぎると、思わぬ副作用をまねくこともあるので、おくすりは正しく服用することが大切です。

 

今回でこのシリーズを終えるつもりでしたが、またまた長くなってしまいました。

次回はお酒についてお話したいと思います。